イラストレーター

イラストレーターとして独立するには?

絵本や雑誌、チラシやポスターなどの製作物にイラストレーションを描き、彩りを添えるイラストレーター。
その華やかなイメージとは裏腹に、実はかなりシビアな職業となっています。デザイン会社などは下請けの仕事が多く、給料面でも業務面でも満足のいく働き方ができるようになるにはかなり厳しいため、多くのイラストレーターがフリーランスとして独立する道を選んているのが現状です。
今回は、これからイラストレーターとして独立を考えている人に向けて独立するための方法や必要なスキル、準備すべきものなどを詳しくご紹介していきます。

イラストレーターとして独立する方法

独立を考える理由は人それぞれだと思いますが、働く場所、働く相手、働く時間など、働き方が自由に選べるというメリットから、フリーランスを志望するイラストレーターが近年徐々に増えてきています。


イラストレーターとして独立するには、「デザイン会社で実務経験をから独立する」、「デザイン会社から仕事を請け負う形で独立する」、「未経験から独立する」といった3つの方法があります。


 

デザイン会社で実務経験を積んでから独立する

イラストレーターとして独立する1つ目の方法は、「デザイン会社に就職し、イラストレーターとしての実務経験を積んでから独立する」という方法です。


この方法を選ぶことで実務経験が積めるのはもちろんのこと、先輩の業務を間近で見て学ぶことができる点や、プロとして働いているイラストレーターにアドバイスやコツを教えてもらえること、プロが使用する有料ツールの使い方をタダで教わり、スキルを身につけることができることなどがメリットとして挙げられます。業務の全体の流れを理解していたり、仕事で使用するツールが不自由なく使いこなせる状態であることは、独立する上でかなりプラスになります。


 

ザイン会社から仕事を請け負う形で独立する

イラストレーターとして独立する2つ目の方法は、「以前勤めていたデザイン会社から業務委託という形で仕事を受注する」という方法での独立です。


フリーランスになって一番苦労するのが、仕事を獲得することです。コネクションや営業力がなくては、いくら自分が準備万端でも仕事が入ってこないため、収入は得られません。以前の会社から引き続きコンスタントに仕事がもらえるようであれば、フリーランスとしてかなり楽に働くことができます。


 

未経験から独立する

イラストレーターとして独立する3つ目の方法は、「未経験から独立する」という方法です。


未経験からいきなりプロとして働くというと、かなり無謀な挑戦に聞こえるかもしれませんが、近年は独学でもプロに匹敵するレベルのスキルを学べる環境や自分のスキルを広められるプラットフォームが整ってきているので、センスがあって努力ができる人であれば、チャンスは十分にあります。また、イラストレーションの仕事を本業とは別に「副業」として行うこともできるので、独立の選択肢の幅はかなり広くなってきています。


 

未経験から独立する

イラストレーターとして独立するために必要なスキル

イラストレーターの仕事を個人で受け持つには、デザイン会社がやっていることを全て一人でやらなくてはいけません。


自由な働き方ができる一方で、個人にかかる負担が増えるというデメリットもあります。ここでは、イラストレーターとして独立するために必要なスキルをご紹介します。


 

画力

イラストレーターとして独立するために必要なスキルの1つ目は、なんといっても「画力」です。


イラストレーターである以上、イラストはある程度は描けることが期待されています。チラシやポスターなどの製作物によっては、illustrator(イラストレーター)などのツールを使用することでカバーできる部分はありますが、最低限の画力がないと、仕事の幅がぐんと狭まってしまいます。ただでさえ仕事をとってくるのが厳しいフリーランスですので、毎日練習するなど努力して少しでも画力を上げていく必要があります。


 

営業力

イラストレーターとして独立するために必要なスキルの2つ目は、「営業力」です。


デザイン会社に勤めることと、フリーランスとして働くことの大きな違いは、個人で営業活動をして仕事を獲得しなければいけない点にあります。イラストレーションのコンテストで優勝していたり、実績が豊富で名の知れたイラストレーターでなければ、クライアントに対して自分を必死に売り込む必要があります。


そのため、仕事を発注してくれそうなクライアントとの人脈を地道に広げていく努力や、個人のスキルを魅力的に売り込むトーク力といったコミュニケーション能力がとても重要になってきます。よって、フリーランスのイラストレーターにはこれらのスキルを含んだ「営業力」が必要不可欠です。


 

営業力

企画力・提案力

イラストレーターとして独立するために必要なスキルの3つ目は、「企画力」「提案力」です。


営業力に付随して必要になってくるのがこれらの2つのスキルとなっています。イラストレーターは、ただ単にアーティストとして絵を描くことを求められているわけではありません。ビジネス目的で使用する以上、イラストレーターは「マーケティングの視点」も持ち合わせている必要があります。


どのようなイラストを描けば消費者に刺さるのか、企業が消費者に伝えたいことをどのようにイラストを通じて届けるのかを、常に消費者目線で考える必要があります。そのため、営業をする際には、この「企画力」と「提案力」のスキルも兼ね備えて磨いておく必要があります。


 

イラストレーターとして独立するために準備するもの

続いて、イラストレーターとして独立すると決めた際に準備すべきものをご紹介していきます。


 

潤沢な資金

イラストレーターとして独立するために準備するものの1つ目は、「資金」です。フリーランスとして駆け出しの頃は、仕事を受注できるか定かではありません。運よく仕事をもらえたとしても不定期で、収入もそれほど見込めない場合が多くあります。


そのため、フリーランスとしての仕事が軌道に乗るまでに生活面で切羽詰まってしまることのないよう、しばらく生活していけるだけの「資金」を蓄えておくことをおすすめします。


 

潤沢な資金

ポートフォリオ

イラストレーターとして独立するために準備するものの2つ目は、フリーランスには絶対に欠かせない「ポートフォリオ」といわれる、実績をアピールするために作る作品集です。「ポートフォリオ」を見せることによって、自分のスキルのレベルの証明になるだけでなく、どういったイメージのイラストが得意で、今までどのような作品を作ってきたのか、その人に任せたらどのような作品が出来上がるのかの想像が容易になるので、仕事を獲得するための必需品ともいえます。


 

名刺

イラストレーターとして独立するために準備するものの3つ目は、「名刺」です。会社に勤めていた時も持っていたと思いますが、フリーランスとして独立する場合も、フリーランス用の名刺を用意しておきましょう。仕事のチャンスを逃さないためにも、自分の名前を広めるためにも、「名刺」は必須です。いつでもどこへでも片身離さず持ち歩くようにし、チャンスがあれば積極的に配っていくようにしましょう。


 

まとめ

「会社に縛られずに、自由な働き方がしたい」という強い思いから、フリーランスのイラストレーターとして独立する人が近年増えてきています。


しかし実際には、フリーランスのイラストレーターとして仕事を継続的に獲得し、生活していくことはとても大変で、独立してすぐにイラストレーターだけで生計をたてられる人はほんのわずかです。そうした状況の中でも独立し、他のイラストレーターとの差別化を図るには、どのような戦略で自分を売り込んでいくべきかや、どのように仕事を獲得していくかを用意周到に計画しておくことが何よりも重要です。

written by なかお 凛

港町や海外の雰囲気が大好きです。趣味は、旅行、ネイルアート、ダイビング、フラワーアレンジメント。現在はフリーランスのWebライターをしながらのんびりと暮らしています。