バー

長く愛されるバーを開業するためにぜひ!知っておきたいこと

自分だけのバーを開業する。お酒好きなら一度は考えた人も多いでしょう。ゆったりとした上質な時間と空間を提供する「夢の飲食業」=バー。頭に描いていた店の構想を現実にするために、どんなことに気をつけたらよいのでしょうか。

バー開業の決め手は「コンセプト」決め

1日の疲れや日頃のストレスから解放される空間、バー。日常生活から離れ、夢の時間を求めてやってくるのが、バーに通うお客様の心情でしょう。長く愛され、顧客の「なくてはならない」空間になるためには、店にどんな仕掛けにするか。そのコンセプト決めが成功への重要な鍵になります。


ほかのバーでは味わえないあなただけの店のオリジナリティを、幾つかポイントをおさえてしっかりと決めていきましょう。


 

バー開業の決め手は「コンセプト」決め

バーの種類

バーにはたくさんの種類があります。古くからあるのは、格式高いオーセンティックバー。バーテンダーがサービスをし、デートや食事のあとの大人時間を楽しむために利用することも多いでしょう。比較的経営が難しく、接客技術だけでなく、サービス側のセンスや人間性も運営に影響するハードルの高いものになります。


このほか、カジュアルなショットバーやスタンディングバー、食事とともにお酒を楽しむダイニングバー、音楽をコンセプトにしたバーには、ジャズバーやピアノバーがあります。


ダーツバーやビリヤードバー、競技の愛好家で賑わうスポーツバーのほか、人気のワインバーや日本酒やテキーラに特化したバーなど、最近ではオーナーの専門性を生かした特徴的な店がオープンしています。


 


 

どんな時間と空間を提供する?

バーの種類はいわば無限です。開業したい店のコンセプトがブレないために、提供したいサービスから考えていくのも近道です。


料理に自信があるならお酒と食事の両方を楽しめるレストランバーで、家族や友達とワイワイできる空間を提供しましょう。


趣味のシャズを中心に、生演奏も聞けるクラシックな雰囲気に浸れるジャズバーや、バーテンダーの高い技術と接客スキルを生かした本格的なカウンターバーなど、あなたの特技を生かした店づくりもいいですね。


逆に、サラリーマン時代に欲しかったリラックス空間を実現するために、店の演出イメージを中心にコンセプトをかためていくのも、斬新なオリジナティのあふれるバー開業の一歩になるかもしれません。


 


 

どんな人に来てもらいたい?

店の雰囲気や方向性が決まったら、バーを利用する実際のお客様を想定してみましょう。お店のコンセプトに見合う顧客がいるか?という検証は、長く安定して経営するネックになります。たとえあなたが面白いと思っても、採算性が伴わなければ店は回っていきません。


理想とするバーを実現するために、必要な「アイテム」や仕掛けで補強し、反対に利益を生み出す「しくみ」を考えるのも秘策です。ネットを駆使した市場調査や予想される顧客の行動パターンや嗜好を調べ、店全体の世界観にこだわるなど、バーという限られた狭い空間だからこそ実現するニッチな店づくりも、新しい時代のコンセプトになりますね。


 

どんな人に来てもらいたい?

女性ならではのこだわりで勝負する

女性がオーナーになって開業するなら、感性を生かした店づくりも魅力のひとつになります。酒にあう上品で淡白な酒肴やメニューの開発、アフターディナーに訪れる客のために、負担のないメニューは、あるようでなかったバーとして評判になるかもしれません。


また、女性ならではの細かい気配りの行き届いたバーも、リピーターを増やす効果があります。店の清潔さはもちろんのこと、空調の心地良さ、時には訪れたお客の間にさりげなく入ってかわすオーナーとしての品格、女性客が美しく見える照明のセレクトなど、


ちいさな「おもてなし」の数々が、やがて確実な常連客への流れに繋がるはずです。


 


 

BARの経営者に求められるもの

接客業の基本はやはりコミュニケーション。バー経営の場合、社交力だけではなく、人間をつぶさに観察し、的確なサービスに繋げる洞察力も必要です。


カウンターを設けたバーテンダー式の店なら、非日常の人間関係を見ることも少なくないでしょう。バーは客単価が高い分、利益率は高いですが、馴染みの顧客が付くほどにお客様との関係性は「密」になりがち。あくまでも経営者という立場でうまく切り盛りするのもオーナーとしての力量です。


中には楽しいことばかりではないかもしれません。深い人間関係のはざまで、ストレスを感じることもあるでしょう。


せっかく始めた店ですから、バーの特異性を理解し、自分のメンタル面でのケアを心がけたいもの。事前にバーでの実施体験をしておくことも、円滑な店経営の自信になりますね。


 

お客様の「なくてはならない」空間になるために

試行錯誤した苦労の末にたどり着いたあなだけのバー。確実な成功に導くために、ぜひおさえておきたい事柄をまとめてみました。「夢」を「現実」にしてより高みにするために、なにが必要なのでしょうか。


 

お客様の「なくてはならない」空間になるために

立地や物件決めは慎重に!

バーの物件を決めるために一番大切なのは、店へと続く人の流れ。立地といえば簡単ですが、バーの場合、人通りが多いからと言って好立地とは一概にはいえません。あなたが提案する店のコンセプトが賑やかなバーなら、駅からも近く、人通りが多く、店への入りやすさが立地のポイントになります。


逆に落ち着いた雰囲気の隠れ家風のバーを経営したいなら、街の喧騒から離れた夜景に沈み込むような雰囲気のある場所もいいでしょう。バーを訪れるお客は、店への「途上」から気分を高めていきます。顧客の気持ちを演出するようなベストな店の風情は、また足を向けたいと思バーの魅力のひとつになります。


 

コンセプトに合った知識と経験を積む

店のコンセプトを盛り上げる知識や経験の豊かさも成功の秘訣です。


バーテンダーやソムリエの資格はもちろんのこと、持っていて得をする知識や経験は開業後大きな力になります。ワインバーを経営するならイタリアンレストランで料理のノウハウを学ぶのも得策です。あなたが開きたいバーに関連性のある飲食業は、開店後の集客にも繋がる可能性があります。食事の後でバーを利用するお客が多いので、客の嗜好を知るための絶好な機会になるでしょう。


そのほか、酒や料理を提供する食器類やカトラリー、店の内装や空間づくりに必要な照明や什器のセンスも、雰囲気を大切にするバー経営には欠かせない知識になりますね。


 

店に置く商品とメニューの重要性

バーに置く酒類のセレクトは重要なポイントになります。特に酒のジャンルを絞ったコンセプトバーは、同じような店との差別化をはかるために、慎重になりたいもの。日本酒バーなら個性的な日本酒を集めたり、優秀な酒蔵と提携してほかでは味わえない品揃えをし、手堅いをファンを増やしましょう。口コミで評判になり集客にも繋がります。


そのほかカクテルの種類、店で提供するメニューは研究を重ねたいものです。店の雰囲気を壊さない看板商品があることは強みになります。足の遠のいていたお客をまた呼び寄せる切り札を何枚か用意することは、安定したバー経営の礎になります。


 

居心地の悪いバーとは?

バーは一言で言えば雰囲気を売る商売です。


お客のおやっ?というわだかまりに、二度目の来店はありません。


店を切り盛りする人間の人柄や立ち振る舞い、接客の流れに客が遠のく原因が潜んでいる可能性があることも。店の雰囲気を壊す従業員の私語や行い、バックヤードがむき出しになってはいませんか?


バーを訪れる客の中には大切な人の「もてなし」で利用される方も多いものです。雰囲気をかき乱す店のあり方は、店の評判だけでなく大切な顧客の人間関係も壊してしまいます。バーの性質をよく理解し、キメの細かい店運営を心がけましょう。


 

成功例から学ぼう!

バー経営には細心の心得が必要ですが、残念ながら努力を重ねても2年以内に廃業する確率が高いのが現状です。


成功するバーには立地の良さやメニューの整合性のほか、オーナーの細かい気配りや見えない努力のあるもの。


ベテランのバーテンダーの中には始終お客様のグラスから発せられる音を聞いて、氷の音がしたらグラスが「空いた」状態と知り、さりげなく勧める人もいます。


またメニューに原価ぎりぎりの酒や料理を用意するのも心配りのひとつ。お客さまの中には、気分的にも、お財布的にも軽く飲みたい時もあるでしょう。「儲かる」だけでなく、お客様にも幸せになってもらう「仕掛け」を上手に生かし、成功する店も少なくありません。


 

まとめ

今まで見てきたようにバー開業の秘訣には、綿密なコンセプト作りから、どうやってより良い店の雰囲気づくりに落とし込むか、細心の注意が必要だということがわかりました。


開業後は些細なミスが店の運営に響くというバーならではの特質も理解できましたね。次の項目では、安定した経営に必要な、バー開業の準備について細かく学んでいきましょう。


 


 

まとめ

written by arukuma

料理とグルメ、ときどきアンティークが大好きなライターです。
わかりやすく楽しめるコラムづくりを心がけています。