塾講師

<塾を開業しようvol.2>運営方法や集客はどうやってやるの?

塾を開業したらどのように運営するのが良いのでしょうか。運営方法にはいろいろあります。
個人ですべてを準備して授業もすべて自分でやる方法、フランチャイズでやる方法。
それぞれ一長一短があります。自分の塾にいちばん合っているのはどの方法なのか考える必要があります。この記事を是非参考にしてください。

個人の力? フランチャイズの力? 営業はどちらがいいの?

塾を起業しようとする人が最初に迷うのがこの点です。個人でやるかフランチャイズでやるか。


どちらに方法にも一長一短はありますし、どちらのやり方も成功した人、失敗した人、たくさんいらっしゃいます。要は、運営する人次第で大きく変わってきます。


しかしうまくいかないのを周辺の環境のせいにしてはいけません。環境にうまく適応する能力こそ、起業家に求められる一番大きなものなのです。


それでは、運営方法のいろいろと集客についてみていきましょう。

個人の力? フランチャイズの力? 営業はどちらがいいの?

全て個人の力で開業することのメリット

個人で塾を開業する場合のいいところを上げていきましょう。


まず、教育に対する「かねてからの想い」を全て授業内容に思う存分表現する機会を得ることができます。自分でこだわりの教材とユニークな授業方法を開発していくらでも楽しい塾にすることができます。しかも授業料はすべて自分の収入。


なんだかワクワクしてきませんか。能力と熱意で大変いいクラスを作ることができる、そしてそこからはばたく生徒たちが社会で活躍するのを創造してみてください。

全て個人の力で開業することのメリット

教材や内容は自分で準備する方法のデメリット

一方こういう、すべてを個人でやる塾運営はデメリットもあります。


その最たるものが、「時間がかかる」ということです。


授業のすべてを自分で準備しなければならないため、教材の準備に時間をかけますとなかなか自分の時間を計画的に作れなかったりすることがでてきます。


その反面、授業時間はいつも一定。よって1時間の労働に対する売上ということで考えた時に生産性がおちるのです。


それに、個人では生徒さんを集めるのも、口コミに頼るか、自分でチラシを配るくらいのことしかできません。今は上手にSNSなどを活用することもできますが、まだまだマスコミの媒体を使う大手には負けるでしょう。

教材や内容は自分で準備する方法のデメリット

フランチャイジーのメリット

一方、フランチャイジーになると、教材やカリキュラムは最初から作られており、研修を受けてその通りにすれば授業ができます。自分で苦労して教材を作成する時間は必要ありません。授業の準備は必要でもそれほど時間はとらないでしょう。


授業の内容もよく研究して開発されたものなので、自分も自信をもって教えることができます。


それに、テレビや雑誌などでCMを打ってくれる場合もあります。集客も本部で計画的に実行してくれる場合も多く、電話問い合わせなども本部でやってくれる場合が多いです。


こうしたことから、生徒さんさえ集まれば「楽」な経営が可能になるのがメリットです。

フランチャイジーのメリット

フランチャイジーのデメリット

フランチャイジーでもっともデメリットになるのが、月々発生するフランチャイズ料(ロイヤリティー)です。


生徒数に応じて取り分は決まっており、だいたい総収入の4割くらいをフランチャイズ料として本部に支払う仕組みであることが多いようです。


生徒数が多ければ多いほどこれが結構な額になります。入金が遅れる生徒さんなどがいたり、教室の修繕などでお金がかかってしまい、支払いが困難になる月も出てきたりすることもしばしば・・といったことになるかもしれません。


それと、権利関係の縛りがあるということです。教材やノウハウをほかの場所に持って行って教えることはもちろんできません。自分のオリジナルの考えを持ち込むこともできません。その塾のブランドというものを守っていく義務が課されるのです。

フランチャイジーのデメリット

塾運営の時間の使い方

個人で塾を経営すると時間の使い方も工夫する必要が出てきます。


まず、生徒さんが子どもであっても大人であっても、授業時間はたいていの場合、学校や仕事が終わった後ということになりますよね。そこから1時間~3時間授業をしますと、終わりが深夜になることも珍しくありません。あるいは土日祝日の昼間に授業をするなど、普通の人がゆっくりしているときにはたらくことになるのです。


自分のプライベートな時間をどのように確保するのかが問題となります。


普通の人たちとは逆に、平日昼間がゆっくりといた時間ということになりますからこれらの時間を利用して、授業の準備をしたり教材を作ったり、リフレッシュしたりといったことになります。


今起業しようと思っている女性の方は今までの生活リズムと違う生活になりますからそこのところをよく自己管理できるかどうかということも大事になります。

塾運営の時間の使い方

うちの生徒さんはどこにいる?

仮に、英会話塾を開業したとしましょう。


まだ生徒さんは一人もいませんし、誰もあなたの教室のことは知りません。


どのようにして集客しますか?チラシやSNSでしょうか?


あなたが考えている生徒さんとはどのような人なのでしょう。また想定する生徒さんはどこにいるのでしょうか。そしてその人にどうやってうちの教室に来てもらえばよいのでしょう。こうしたことがわからないまま、やみくもにチラシを配っても費用に対する効果はあまり期待ができません。


塾というのは非常に地域と深くかかわりがあります。受験のための進学塾でもない限り遠方からはるばる来るケースは少ないでしょう。教室の近辺にどのような家庭が多いのかということを考えることから始めましょう。


塾の集客にはポスティングが有効とされています。開始したらまず存在を知ってもらうことを優先して、対象になるような人が住んでいる家にチラシを配ることからはいるのが王道です。


しかしながら無視できないのが「口コミ」です。積極的に無料の体験レッスンなどをおこなって、「まずは一人から」始めましょう。まずは授業内容です。1時間1時間を大事に授業して、その内容が素晴らしければ素晴らしいほど口コミが広がっていきます。

うちの生徒さんはどこにいる?

塾経営のマーケティング

生徒さん集めをするには、まずターゲットを見定めます。


お金を払ってまでなにかを習いたいという人は間違いなくある程度「余裕のある人」です。それと、自分あるいは子どもさんに行き届いた教育がしたいと考えている、「意識高い系」の人です。


実はこうした人の行動には一つの特徴があります。それは、次のようなことです。


1.教えている内容を身に着ける必要性を「はっきりと」わかっている。


 例えば外国人がいる職場にお勤めの親御さんは、自分の子どもに英会話を習わせようとする傾向が強いのです。こうした経験に裏打ちされた「認識」が強力な動機となります。こうした職場にお勤めの親御さんがどこかにいないかかねてからのリサーチが重要です。


2.習い事は複数する場合が多い。


 自分の子は何に向いているのかわからない。だからいろんなことをさせて何で芽が出るのかみてみたいという親御さんは、お子さんに複数の習い事をさせる傾向がつよいのです。こうしたことからあなたの生徒さんは、たとえば近所のピアノ教室に通うような人である確率が高いと言えるのです。


こうしたことに気を付けて、どこに生徒さんがいるのかアンテナを張り巡らせましょう。

塾経営のマーケティング

効果的な集客方法とは

さきほど、「習いごとをする人は複数するケースが多い」ことを書きました。


こうした親御さんが集まる確率が高い場所が実は「スイミングスクール」です。


スイミングスクールに子供を通わせている親御さんは、実は水泳が上手になることにあまり価値を置いていません。水泳教室に通っていて、通っていないほかの子よりは泳げることが、「自信につながる」という体験上の価値を求めているのです。アスリートのようなハードな練習はしません。そこそこ水泳が上手になれば学校の水泳の授業でも友達にいい顔ができます。


ということは他の習い事でも求められているのはこうした「自信」をゲットすることでありそうした自信が多ければ多いほど生き生き毎日を過ごすことができる。こうしたことがわかっておられる方が集まっている場所なのです。


ですので、スイミングスクールに学習塾や英会話塾のチラシやポスターをお願いできればある程度の効果を期待できると思います。


新聞などでチラシを配布することも一つの方法ですが、新聞は1日だけの一過性に終わります。継続的にターゲットの目に触れる場所に露出することが重要です。

効果的な集客方法とは

まとめ

塾の運営方法には、2つの方法があることと、生徒を集客する方法の考え方について書きました。


開業はなんとかできても、運営していくのはなかなかいろいろな要素が絡み合ってくるのでなかなか容易ではありません。


でもあなたの教えを待っている生徒さんは必ずどこかに存在するはず。新年をもって進みましょう。困難な壁に当たってもそれを乗り越えていく知恵と勇気が独立開業した人には必要なのです。

written by 鬼尾宗慶

人事、労務、税務などビジネス関係に関する依頼の多いフリーライター。看護師の転職など、働く女性についての執筆も多い。
趣味:航空写真・バイク