プロジェクトマネージャー(PM)

プロジェクトマネージャーとしてフリーランスで活躍するために

IT業界を中心にプロジェクトマネージャーの需要が増加傾向にあり、中には独立してフリーランスとしてプロジェクトマネージャーの仕事を請け負っている方もいます。今回はフリーランスとしてプロジェクトマネージャーになるために取得すべき資格や、フリーランスで働くメリット、仕事の獲得方法などを紹介します。

フリーランスのプロジェクトマネージャー(PM)なるためにとるべき資格とは?

プロジェクトマネージャーには専門的な知識が求められる分、業務を行うために必要な資格があるのではないかと気になる方が多いです。実際、フリーランスでプロジェクトマネージャーになるために必要な資格があるのか解説します。

フリーランスのプロジェクトマネージャー(PM)なるためにとるべき資格とは?

プロジェクトマネジメントプロフェッショナル(PMP)

プロジェクトマネージャーの業務は、フリーランスであっても特に必須とされている資格はありません。しかし、プロジェクトマネージャーとして高いスキルを認められる資格を保有しておけば、それだけ仕事の依頼や報酬にも繋がるので取得することをおすすめします。


プロジェクトマネージャーとして優れたスキルを持っていることを証明できる資格が、プロジェクトマネジメントプロフェッショナルです。この資格試験を受験するために、3年のプロジェクトマネジメント経験と4,500時間にわたるプロジェクトを指揮する立場の実務経験、さらに公式の35時間にわたるプロジェクトマネジメント研修の受講を必須としています。


費用はPMI会員なら405ドル、一般なら555ドルとなっていて、PMI会員の方が研修費用や公式参考書の料金も一般の方より安くなります。難易度は正確な数字が公表されてないため不明ですが、4択から選ぶ問題が200問出題され、統計データ問題25問を除く175問のうち61%以上正解で合格となり、受験者からは難易度は高いという意見が多く見られています。


※PMI会員は、世界最大のプロジェクトマネジメント協会で認められた、プロジェクトマネジメントの普及を目的に精力的に活動を行う会員のこと。特に入会するために必要な条件はなく、PMPを受験する際に会員になるか聞かれるため、そこで手続きをすれば入会できます。


 

プロジェクトマネージャ試験(PM)

プロジェクトマネジメントプロフェッショナル以外に、通常のプロジェクトマネージャ試験もあります。こちらは特に受験資格は設けられていません。費用は税込7,500円で、試験の難易度は高度な技術や知識を必要とする分、最高難易度の「スキルレベル4」の試験に分類されています。


合格率は例年12%前後から14%前後となっていて、合格することが用意ではないことがわかります。プロジェクトマネージャ試験の合格率がこれだけ低いということは、プロジェクトマネジメントプロフェッショナルの試験がどれほど難しいかがある程度想像できるのではないでしょうか?


 


試験内容は前半50分間で多肢選択式で30問出題され、60点以上で合格。


後半は出題形式は同じで40分間で25問出題され、60点以上で合格。


 


前半は広く基礎的な問題が出題され、後半は専門的な問題が出題されます。


 

フリーランスで働くメリット

フリーランスは企業に帰属せずに仕事の依頼を受けて自分のペースで仕事をこなしていく働き方です。企業で正社員として働くのと違ってどんなメリットがあるのでしょうか?

フリーランスで働くメリット

高収入が期待できる

フリーランスの最大のメリットは高いスキルさえ持っていれば高収入が期待できることです。正社員だと適正な評価制度が行われていない場合に、成果に対して給与が見合わないことも多く、そうなると仕事に対するモチベーションも下がってしまいます。しかし、フリーランスは安定した給与所得は得られないものの、高いスキルがあって実績を残していれば必ず継続的に仕事の依頼が来て、正社員時代と比べて成果がそのまま報酬としてかえってくるので、モチベーションアップにも繋がります。


 

働き方の自由度が高い

これまで正社員として働く場合は、満員電車に耐えながら通勤して決められた労働時間の間働き、場合によっては残業して働くスタイルが基本でした。最近では、リモートワークを取り入れる企業も増えて通勤の問題は解消されつつありますが、労働時間に関しては、フレックスタイム制で多少始業時間と就業時間の調整ができるくらいであまり変化はありません。


一方で、フリーランスであれば正社員よりも効率良く時間を使うことができます。在宅でこなせる仕事であれば場所を選ばず働けて、私用でこの時間は仕事をいれたくないと思ったらその時間だけ空け、用事が終わり次第仕事を再開するなんてことも。


ただ、労働時間に制約がない分仕事を抱えすぎて普通の正社員より労働時間が長くなるリスクもあるので注意が必要です。


 

案件を自分で選べる

フリーランスは労働時間に制約がない分好きなように働けるため、仕事をつい色々抱えてしまう方もいますが、フリーランスとして安定して続けられている方の多くは、依頼される案件を自分で自由に取捨選択しています。会社であれば上司から頼まれる仕事はなかなか断りにくい面もありますが、フリーランスであれば依頼されるクライアントと対等関係にあります。そのため、断りたいと思った仕事は無理に引き受けなくてもあまり大きな問題にはなりません。


しかし、あまりにも仕事に対してこだわりを持って引き受ける仕事を厳選しすぎてしまうと、その業界の中で仕事を断りがちな人だと認識されてしまうと急激に仕事の依頼が減ってしまうので、ある程度許容する姿勢も見せながらコントロールしていってください。


 


 

フリーランスのプロジェクトマネージャーとして仕事を獲得するために

正社員と比べて、フリーランスは自由に働けて自分の頑張りがそのまま報酬に結びつくため、仕事のモチベーションが保ちやすい働き方ではありますが、仕事が獲得できないと一切収入は入りません。


プロジェクトマネージャーのフリーランスとして仕事を獲得するためにすべきことについて解説します。


 


 

フリーランスのプロジェクトマネージャーとして仕事を獲得するために

正社員として働き、実績を積む

独学で勉強していきなりフリーランスとして働き始める方もいますが、誰かに教わって実践経験を積みながらスキルを高めていった方が効率良く身に付きます。その方がフリーランスとして働き始めるとなった時に戸惑うことなく仕事をこなせます。


 


特にプロジェクトマネージャーは現場での実践経験が重要で、今後スキルアップのために資格を取得するなら、受験のために現場経験を積む必要があります。そのため、プロジェクトマネージャーは独学ではなく、正社員として働いて実績を作ってから独立するようにしてください。


 

人脈を作る

フリーランスになってから仕事を獲得する上で一番大事なのは、直接的あるいは間接的に仕事をもらえる人脈を作ることです。こういった人脈を作るかどうかで依頼される仕事量はかなり変わってきて、仕事の依頼が来ないとこちら側で営業をかける必要があるため、営業するスキルは身に付くとしてもやや時間のロスになってしまいます。


仕事をもらえるような人脈作りを意識しながら働けば、独立した後にスムーズに仕事が始められるかもしません。


 

エージェントを活用する

転職サービスにエージェントがあるように、フリーランスにもエージェントがあります。エージェントは、仕事を依頼したい人と仕事を探している人をマッチングさせるサービスです。正社員として働く中でうまく人脈を作るような機会がなかったり、そういったチャンスのない環境にいた方は、エージェントを使って人脈を作ることをおすすめします。


 


エージェントも営業の一種に近いのですが、この営業活動を通じて継続的な関係が築ければ、そのクライアントの方を通じて別のクライアントの方との人脈を形成するきっかけになる可能性もあるため、営業をかける際はエージェントを積極的に使ってください。


 


 

自分にあった案件を選ぶ

フリーランスとしてプロジェクトマネージャーを務める場合、自分の経験したことのない分野を取り扱う企業からの依頼が来ることもあります。その時に無理して引き受けて、失敗してしまうとその業界で噂が広まってしまえば、今後その分野からの仕事の依頼が来ないこともあり得ます。


なるべく自分にあった案件にターゲットを絞って確実に成功実績を残していった方が継続的な依頼や新規案件が来るようになり、仕事が獲得しやすい状況が作りやすくなります。


 

まとめ

プロジェクトマネージャーには2種類の働き方があります。それは正社員として働く道とフリーランスとして働く道の2つです。フリーランスは正社員と比べて時間や場所の制約がなく、自分で自由に案件を取捨選択することができます。また、自分の成果が100%そのまま自分に帰って来るため、さらに成長しようというモチベーションの向上にも繋がります。


 


フリーランスとしてプロジェクトマネージャーになる際には、別段必要な資格などの指定はありません。しかし、資格は自分のスキルの証明にもなり、スキルが高いことがわかっていると依頼する側としてもその人に仕事を依頼したくなります。


 


フリーランスは仕事がないと一切報酬はないので、フリーランスのプロジェクトマネージャーになる際は、仕事依頼がもらえるような実績やスキルを会社で身に付けていきます。その中で仕事の依頼がもらえる人脈作りをしていき、なるべく成果が出せるようにターゲットを絞った案件の受け方をする手順で、経験を積み重ねていくのがおすすめです。


 

まとめ

written by 谷 祐輝

大分大学経済学部経営システム学科を卒業し、その後本業と並行でライター活動を始めました。
ライター歴は1年です。