セラピスト

セラピストとしてサロンを開設するために

セラピストとして活動するには、医療・福祉・介護施設や相談所などどこかに所属する方法のほか、実は個人でサロンを開設する方法もあります。
今回は、セラピストとして活躍するために仕事内容や年収、将来性やサロンの開設についてまでを一挙紹介。これからセラピストを目指す人たちは、ぜひ最後までご覧ください。

セラピストの仕事と年収

セラピストは、専門的な知識や経験で人の心身をサポートする役割をもっています。人の心身の癒し方は様々あり、セラピストを名乗るには無資格の場合もあれば、民間資格や国家資格を取得してより専門的に活動する場合もあります。


セラピストの種類も数多くありますが、仕事内容や気になる年収についてみていきましょう。


 

セラピストの仕事と年収

セラピストの仕事内容

セラピーのアプローチ方法が多いため、セラピストの仕事内容も多種多様ですが、どんなセラピストでも「人の心身の不調を軽減し、癒しを提供すること」が共通の仕事です。心をサポートする場合は、人の悩みや相談を傾聴したり、受容的な態度で共感したりします。身体をサポートする場合には、効果的にツボを刺激したり、リハビリやマッサージを提供したりして困っている人のサポートを目指します。


どんなアプローチであっても、人がどんなことに困っているのか、どんな癒しを求めているかをしっかり聴く必要があるため、コミュニケーションを楽しむことも仕事の1つ。ときには心地の良い香りや音楽などを用いて癒しを提供することもあります。


 


また、個人でお客様を獲得するなど独立して仕事をする場合は、営業や宣伝活動、サロン開設の場合は円滑な活動のための運営業務も仕事の一環です。個人事業ではなくセラピストを雇う場合は、人材確保や教育なども必要でしょう。


手に職のあるセラピストは、雇用でも独立でも活躍できるのがメリットですね。


 

セラピストの年収

セラピストを目指すにあたって、独立でやっていくのか、副業として軽めにやっていくのかの決め手にもなるのが年収。セラピストの年収は個人のスキルや職種によって大きく変わりますが、平均して200~300万円程度と言われています。資格を取得したり、所属するサロン内での試験に合格したりすることで給与が上がることがあるため、個人のスキルを磨くことが年収アップにもつながります。


また、固定給か歩合給かについても注目しましょう。固定給であれば安定した年収や社会保険への加入ができるため、生活しやすいメリットが。一方、歩合給であればセラピーの実施回数や指名数など、数をこなすことで年収400万円以上も可能に。セラピストの平均年収は個人によって差が大きいため、まずはセラピストとしてのスキルを高めるようにしましょう。


 

セラピストに将来性はあるのか

現代人は日々ストレスに晒されているため、癒しの需要は増しています。身体の疲れや不快感を取り除く身体系も、心の悩みや問題を和らげる心理系も、今後需要がなくなることはないでしょう。


ただし、需要があるからといって知識が浅いまま活動を始めると、苦しい状況になることも…。癒しが求められている分、専門的な知識や技術が求められるので、将来的に活動していくためにもやはり自己研鑽は大切と言えます。


 

サロンを開設する

セラピストとして活躍する方法の1つとして、個人でサロンを開設する方法があります。もちろん店舗で勤務する選択肢もありますが、独立を目指すのも魅力的。しかし、なかにはこの魅力からいきなりサロンを開設して困ってしまうセラピストも…。


ここでは、サロンの開設について順に紹介していくので、独立を視野に入れている人は以下のポイントを押さえて行動しましょう。


 

サロンを開設する

ターゲット層を明確にする

セラピストが独立するにあたって、ターゲット層を明確にすることは非常に大切です。個人のスキルを磨くことも大切ですが、能力があっても癒す対象が定まらなければせっかくの需要も提供できません…。


サロンを開設する場合は、お客様の年齢層や性別などの属性をある程度絞っておくと、個人サロンの強みにもなります。ターゲット層を決めると、サロンの雰囲気やアイテム、宣伝方法などの営業の参考にもなりますよ。


「ターゲット層以外=接客をしない」という訳ではなく、サロンの方針を決める作戦なので、自分がどんな相手にセラピーを提供したいかをしっかり考えておきましょう。


 

サロンのコンセプトを決める

サロンを開設するセラピストの多くは、資格や検定を取得していたり、専門的な知識や技術をもっていたりします。そのため、ただ独立するだけではセラピストたちには特に差が出ないことも。そこで、他のサロンとの差別化や個人のサロンの強みを伝えるために、ターゲット層の次はサロンのコンセプトを決めましょう。


 


コンセプトをなかなか決められない場合は、自分がセラピストとして癒しを提供したいと思った原点を振り返ってみてください。たとえば「疲れ切ったお母さんをマッサージしてあげたら、喜んでくれて嬉しかった」や「自分が人間関係でつらいときにカウンセラーに丁寧に話を聴いてもらえて、自分みたいな気持ちを人に伝えたい」など。自分がセラピストを目指した原点を振り返ると、ターゲット層の見直しにもなります。コンセプトはなるべくシンプルで分かりやすい言葉で宣伝するようにしましょう。


 


また、自分が活動予定のセラピーと内容が被らないように、他のサロンにない強みを身に着けることを心がけてみてください。たとえば、身体の癒しを提供するセラピストとして柔道整復師の資格を持っている場合、同業者との差別化としてアロマテラピーの資格・検定を取得することで、香りによる癒しの提供も可能です。


人の心や身体を癒す方法は様々あり、1つの専門家になる必要はありません。自分が「こんな風に人を癒したい」という考えがあるのであれば、「どうすれば叶えられるか」を考えてみましょう。


他にも、1つの分野のエキスパートとして最新の知識や技術を学んで取り入れることも差別化になります。コンセプトは、他とは違う自分の強みを考えることですね。


 

場所を決める

サロンを開設するにはいろいろな場所があります。既存の店舗を借りたり、新しく店舗用に物件を借りたりする以外にも、自宅の一部をサロンとして使うこともできます。場所については、立地によって物件や家賃の値段が異なり、近くに住んでいる人によっては客層も変わってきます。まずは既存の店舗で間借りをして活動する方がリスクは低いでしょう。サロン運営が軌道に乗って安定してから自分のお店を持つ方が、安心感はありそうですね。


 

道具、機材をそろえる

個人でサロンを開設するには、セラピーで必要な道具や機材から、サロン運営に関わるものまですべて個人でそろえる必要があります。


たとえば、心理カウンセラーであればクライエントが悩みや相談を話しやすいように、相談室を清潔に保ち、目線外しとしてシンプルな小道具を用意してみましょう。アロマセラピストであれば、専門店でアロマオイルを仕入れることで、お客様に安心感や贅沢さを提供できます。仕事のためにそろえたアイテムは経費として申告することも忘れずに。


 

道具、機材をそろえる

ターゲット層に向けた発信をする

個人開業は、既存のファンや実力がない限り苦しい状態に陥りやすいもの…。


そこで、狙ったターゲット層に向けた発信に力を入れましょう。現代は多くのSNSが流行っているため、インスタやTwitterなどで集客したり、ブログやメルマガを利用したりすることが効果的です。サロンの近場へチラシの配布や、雑誌に広告掲載をお願いするなどの地道な広告活動が特に大切になります。もちろん、ターゲット層によって、若者が多めならSNSの利用を増やすなど工夫しましょう。


 

常連客を獲得するために

サロンを開設して維持するためにはリピーターの獲得・対策も必須です。


常連客をつくるために、お客様にメリットのある運営を考えていきましょう。たとえば、サロン開設時に無料モニターを募集してみたり、サロンのレビューで次回来店時に割引を適応したり、会員特典でお得なサービスを追加したり…。このように、セラピストとしての腕以外にも集客率を上げる方法はあるので、思いつくアイディアは積極的に採用してみてください。基本的には、お客様が喜ぶことや得することを考えてみましょう。


 

まとめ

セラピストは今後も求められる職種であり、サロン開設を目指す人も増えています。しかし、ニーズがあるからといって安易にサロンを開設すると失敗する人も確かにいます。サロン開設のために、リスクやサロン開設に必要なポイントを押さえて、安定した仕事をしましょう。


 

まとめ

written by しあん

現役臨床心理士・公認心理師。Webライターとしても活動中。
Twitter(https://twitter.com/saikolodsm/)や心理職を目指す人へ向けた『サイコロブログ(https://saikolodsm.com/)』あり。