整体・マッサージ

整体・マッサージで独立・起業する時にやってはいけないこと

個人事業で起業して、1年で廃業する割合は約38%、5年後には約74%にもなると言われています。その内、女性起業家の廃業率は男性の約2倍になるそうです。

失敗を繰り返しながら学べることも沢山ありますが、どうせならリスクは少なく、安全な道を歩んで行きたいですよね。
それには、先人の失敗から学ぶのが近道。

女性が整体・マッサージの起業に失敗しやすいパターンを知ることで、できるだけリスクを回避して、スムーズな成功を目指しましょう。

女性が整体・マッサージの起業に失敗する理由

いきなり結論から言ってしまうと、女性が整体・マッサージの起業に失敗する一番の原因は、「経営者としての意識が足りない」ことです。


女性の場合、「人の役に立ちたい」「自由な環境で働きたい」など、起業の理由も男性に比べ、理想や感情が先行してしまうケースが多いようです。整体やマッサージなど人に癒しを与えるような仕事は、とくにその傾向が強いと言えるでしょう。


癒しの仕事を生業とする女性の中には、”お金儲け”に抵抗や罪悪感をもつ人も少なくありません。でもお金が儲からなければ、お客様によりよいサービスを提供することもできなくなりますよね。


もちろんすべての人に当てはまるわけではありませんが、起業してもすぐに廃業してしまう原因は、経営者としての意識や、知識不足に起因していることがほとんどです。

整体・マッサージの経営でやってはいけないこと

整体・マッサージで開業するとき、やってしまいがちな間違いの中で、代表的なものをいくつかご紹介します。


 

・安易な値下げ

開業して間もないうちはとくに、お客様を呼び込むために割引や値下げを集客の手段にしてしまいがちです。開業後も、思うようにお客様が集まらない焦りから、安易に値下げを繰り返すと、通常の価格では来店してもらえなくなります。


以前100円セールを頻繁におこなっていた、某ドーナツ店などはよい例ですね。


また自信のなさから価格を低く設定してしまうケースもありますが、自分を安売りせず、価格に見合う技術やサービスを提供するという姿勢が大切です。


 

・コンセプトがブレる

コンセプトが明確でないサロンは、他店との比較要素が価格しかありません。それでは大手やチェーン店など低価格が売りの大型店がライバルとなり、価格競争で負けてしまいます。


思うように売上が上がらないからといって、流行りのものを手当たり次第メニューに取り入れてみたり、むやみに客層を広げて当初のコンセプトからブレてしまうと、顧客が逃げてしまうばかりか、余計な費用がかかって最悪の場合資金繰りの悪化にもつながります。


 

・勢いだけで開業する

廃業を経験した人の多くは「経営者としての意識が足りなかった」と後悔しています。


行動力があるのは素晴らしいことですが、勢いや理想だけで開業してしまうと、遅かれ早かれ経営が行き詰ることになります。どんなに小規模であっても、ビジネスである以上しっかり利益を出さなくてはいけません。


利益を出すためには一日どれくらいの売上が必要か、そのためには何人のお客様に幾らの料金で提供する必要があるかなど、開業前から最低限の計画は立てておく必要があります。


お金の知識(キャッシュフロー)はもちろん、集客マーケティングについても勉強しておくと、安定した経営がしやすくなります。


経営の知識がないまま、その場しのぎの運営を続けていると、悪徳なコンサルタントや営業の標的になってしまうこともあるので、要注意です。


 

・勢いだけで開業する

・集客の努力をしない

あなたがよほどの有名人でもない限り、集客努力をまったくしないで、開業当初からお客様が押し寄せるなんてことは、ごく稀です。にもかかわらず、「開業すればお客様が来てくれる」と楽観的に考えている人は意外に多いもの。


人気サロンや医療関係などから独立した人の中には、知らず知らずのうちに「お客様は来てくれて当たり前」という意識になってしまっていることもよくあります。


ホームページの開設やSNSを使った集客は、今や常識となりつつあります。サンキューDMやニュースレターを配信するなど、新規のお客様だけでなく、一度来店されたお客様に再来店を促すためのフォローも忘れずにおこないましょう。


 

・コミュニケーション不足

整体やマッサージは技術さえしっかりしていれば大丈夫というのは、大きな間違いです。お客様だけでなく、対従業員や取引先など、起業するとコミュニケーション能力を問われる場面は沢山あります。


 


ただ勘違いしやすいのは、話し上手=コミュニケーション上手ではないということ。


施術を受けに来る人の中には、静かにリラックスして過ごしたい人もいれば、おしゃべりを楽しみたいという人もいます。


お客様がどういう状態で、どのようなケアが必要か、施術中どのように過ごしたいのかを察して適切な施術や接客をおこなうことも、立派なコミュニケーションです。


一方的に自分の考えや施術を押し付けるばかりでは、大切なお客様も逃げて行ってしまいますのでご注意を。


 


 

視野を広げて成功のヒントを見つけよう!

ここまで、よくある失敗のパターンについてご紹介してきましたが、これらはあくまでも、”失敗のリスクを減らすため”のもの。競合の多い整体やマッサージ業でより上を目指して成功するには、他とどれだけ差別化できるかが鍵となります。


ある整体師さんは、ボディケアで身体の調子が良くなっても、まだどこか満たされない人が大勢いることに気がつき、スピリチュアルなカウンセリングを取り入れて「身体と心トータルで元気になれるサロン」として成功させました。


ヘッドマッサージに特化したサロンは、パソコンやスマホの普及で目の疲れや頭痛に悩む人の増加とともに、予約が取れないほどの人気サロンに成長しました。


アスリート専門の整体師、外国人向けのサロン、働くママさんのためのマッサージなど、ちょっとしたアイデアと工夫で他と差別化して成功した例もまだまだあります。


開業したばかりの頃は、自分のことに精一杯で周りが見えず、視野が狭くなりがちです。心に少し余裕をもって世の中を見回してみれば、思わぬところに成功のヒントが転がっているかもしれませんよ。


 

まとめ

せっかく開業してもすぐに廃業とならないために、失敗しやすいパターンを知っておくことで、リスク回避につながります。開業後も長く続けていくためには、施術師であると共に、経営者としての自覚をもって運営していくことが必要です。


さらに上を目指して成功を勝ち取るためには、競合との差別化がキーポイント。


5年後、10年後も生き残っていくために、あなたにしかできない、唯一無二を目指しましょう!


 

written by 海野風子(フーコ)

yogaと旅をこよなく愛するライター兼派遣社員。女性の自由な生き方を応援します!