
女性が整体・マッサージで独立・起業するために知っておきたいこと
2021-04-12
整体・マッサージは、自宅で開業することもできて、少ない資金からでも始められるので、女性ひとりでも起業しやすいビジネスの一つです。
でも、ビジネスである以上、理想だけで見切り発車してしまうのはとっても危険。
そこで今回は、整体・マッサージで開業するために、知っておきたいことについてご紹介します。
女性の強みを活かせる整体・マッサージ師の仕事
独立・起業しても長く続けていけるのか、起業することにどのようなメリットやデメリットがあるのか、気になりますよね。
そこで、まずはじめに女性の整体・マッサージ師の将来性と独立・起業のメリット、デメリットについて考察してみたいと思います。
女性の整体・マッサージ師に将来性はある?
せっかく整体やマッサージを受けにいっても、施術師が男性ばかりであまりリラックスできなかった、なんてことはありませんか?
直接身体に触れられる整体やマッサージでは、男性の施術を受けることに抵抗のある女性も少なくありません。
そんな時、女性の気持ちや身体のことを理解してもらいやすい、同じ女性の施術師がいると心強いですよね。
実際、女性の整体・マッサージ師へのニーズはどんどん高まってきています。
整体師というと、男性のイメージが強いかもしれませんが、逆に女性にとってはそこがチャンス。
これから整体・マッサージ師として独立・起業を目指す上で、女性であることは大きなアドバンテージとなりえるでしょう。

メリット・デメリット
女性が整体・マッサージ師として独立・起業することの大きなメリットは、少ない資金で、場所を選ばずに開業できるところです。
自宅開業なら、主婦やシングルマザーの人でも、家事や子育てと両立しながら仕事を続けやすいですよね。
自宅や店舗での開業が難しい場合でも、訪問・出張や、レンタルサロンを利用するなど、技術さえあれば、どこでも手軽に開業が可能です。
一方で、独立して起業するということは、全ての業務や責任が自分にかかってくるということでもあります。
経営者としての能力も問われますので、これまで経営や経理に携わったことのない人は、苦労するかもしれません。
簡単にはじめられるだけに、競合も多いのが整体・マッサージの世界。
生き残っていくためには、ビジネスの意識と知識、スキルが必要不可欠です。
資格と法律について
整体・マッサージで開業するためには、資格や法律について知っておくことも大切です。
”うっかり法をおかしてしまっていた”、などということのないように、正しい知識を身につけておきましょう。

マッサージと整体の違い
整体やカイロプラクティック、リフレクソロジー、オイルやアロママッサージなど、ひと言でマッサージといっても沢山の種類がありますが、厳密に”マッサージ”とは、”あん摩マッサージ指圧師”の国家資格をもつ施術師がおこなう、治療行為のことを指します。
整体や、一般にマッサージと呼ばれているもののほとんどは、リラクゼーションやもみほぐしと言われ、本来の”マッサージ”とは区別されています。
しかしながら、その境界線があいまいになっているため、きちんと違いを理解している人は少数派です。
国家資格の有無や施術内容によって、健康保険が適応されるか、適応外かの違いもあります。
資格について
マッサージに関連する国家資格には以下のようなものがあります。
・あん摩マッサージ指圧師
・柔道整復師
・はり師
・きゅう師
これら以外の整体や、一般的なマッサージの資格はすべて民間資格です。
「整体院」と「整骨院」は名前がよく似ているので混同されやすく、違いがわからないという人も多いですが、「整骨院」の開業には柔道整復師の資格が必要です。
一方、整体師は国家資格ではなく民間資格ですが、無資格でも開業することはできます。
国家資格を取得するためには、専門の学校や養成施設に3年以上通い受験資格を得た後、厚生労働省の国家試験に合格する必要があります。
民間資格は必須ではありませんが、スクールを併設したサロンや講習会、またはサロンに勤務しながら、短期間で取得することも可能です。

法律について
整体・マッサージとして開業する上で知っておきたい法律に、「あはき法」「柔道整復師法」「医師法」「薬機法」「景品表示法」があります。
国家資格を持たずに、法で規定された施術範囲を超えてしまうと、違法行為とみなされる場合があります。
また、屋号やチラシ、広告についても、「治療」や「治る」のような使ってはいけない表現や、誇大広告の禁止など、法律で規制が設けられているので、屋号を決める前に必ず確認しておきましょう。
守破離のすすめ
気持ちの上で開業する決心ができても、いざとなると最初の一歩が踏み出せない、という人もいるかも知れません。
そんな時役に立つのが、”守破離”のプロセスです。
”守破離”とは本来、武道や芸道で使われる言葉であり、修行における過程を示しています。
”守”で基本となる型を忠実に守りながら確実に身につけ、”破”で基本の型にプラスαとして他の要素を取り入れていき、”離”で全く新しい独自性を生み出し確立させます。
これを整体やマッサージの開業に応用すると、このような感じでしょうか?
守:自分が理想とする整体師やサロンを見つけ、徹底的に真似をする
破:他の整体師やサロンのよいところをプラスαとして付け加え、オリジナリティを出す
離:そこからさらに発展させて、他とは違うあなただけのサロンを作り上げていく
成功者と言われる人の中には、これを実践している人も多く、ビジネスの世界でもよく取り入れられている考え方です。
何からはじめていいかわからない場合は、まずは”守破離”の”守”からはじめてみてはいかがでしょうか。
自分の理想に近いサロンや尊敬できる施術師がいれば、弟子入りさせてもらうのがベストです。
それが難しければ、実際に施術を受けに行ったり、思い切って話を聞きにいくだけでも、何か発見やヒントが得られるかもしれませんよ。

まとめ
整体・マッサージの仕事は、女性ならではの感性が活かせる、夢のある仕事です。
女性の社会進出と共に、女性施術師へのニーズも高まり、将来性にも期待が持てます。
しかし独立して開業するためには、経営のことや資格のこと、法律のことなど、知らなかったでは済まされないことも沢山あります。
いざ開業してから「こんなはずじゃなかった…」なんてことにならないように、
正しく理解しておくことが大切です。
開業の決心ができても、何からはじめていいかわからなければ、お手本となるサロンや施術師さんを見つけて、まずは一歩踏み出してみましょう!


written by 海野風子(フーコ)
yogaと旅をこよなく愛するライター兼派遣社員。女性の自由な生き方を応援します!