居酒屋

居酒屋開業までに必要な準備を徹底解説!

居酒屋開業のためにはどんな準備が必要なのでしょうか?ここでは実践的な開業までの「流れ」を、資格や届け出、資金調達、物件さがしなど、ポイントをおさえてみていきます。また安定した店経営に欠かせない運営方法のノウハウも合わせて考えていきましょう。

居酒屋開業のために必要なこととは?

居酒屋を始めるにあたり、必要な資格や届け出などの基本事項や、資金の内訳、資金調達に関する事柄を順に解説していきます。


居酒屋開業でおさえておくべき基本をしっかりと把握して、自信を持ってオープンへ弾みをつけていきましょう。


 

居酒屋開業のために必要なこととは?

開業に必要な資格と届け出

居酒屋などの飲食店を開業するためには「飲食店営業許可」が必要となります。


大まかに言うと「食品衛生責任者」をおくことと、保健所の検査でクリアする「営業許可証」が必須。


営業の業態によって必要な書類は変わるので、不安な場合は専門家に相談しましょう。開業のタイミングを考えて、よりよりスケジューリングを提案してくれます。


また、収容人数が30人以上の広い店舗なら、「防火管理者選任届」も忘れずに所轄の消防署に提出します。


どんな資格や届けが必要かを入念にチェックし、万全の準備で開業の日を迎えるようにしたいものです。


 

開業資金を準備する

開業までのいちばん高いハードルは資金面のことになるでしょう。最低でも600万円以上は必要になります。平均で600〜1000万円はかかるといわれています。


自己資金を十分に用意することも重要ですが、基本的に返済義務のない助成金や補助金の活用も知っておきましょう。助成金は種類も豊富で、一定の要件を満たせば受けることが可能です。補助金は審査基準や倍率が高いので、経済産業省のHPなどでよく研究する必要があります。


銀行などからの融資のほか、日本政策金融公庫では新しく事業を始める女性に向けての融資制度もあります。


こうした各種制度の情報は、日々アップデートするので、最新の情報を知って上手に役立てたいですね。


 

どこにこだわる?開業資金の実際

・物件選びはコンセプトに合わせて


コンセプトに応じた物件選びが大切なポイントになります。


女性や家族連れなどを中心とした店づくりをしたいなら、人との間隔を考えたゆったりとした物件がオススメ。


小さい子供連れでも安心して楽しめる「おうち」スタイルの居酒屋なら、席のスペースを十分に取ってくつろぎの空間を演出します。


またトイレスペースもよく考えて設計したいもの。安心して来店しやすい環境を整えることも大事になりますね。


資金の節約を考え、「居抜き物件」の活用もいいでしょう。取引が見込まれる仕入れや卸業者の中には、飲食店物件の情報を持っていることもあります。懇意にして情報を集め、自身の店舗により良い物件の選定をしていきましょう。


 


・内装費は?


居酒屋のコンセプトに合わせたインテリアや内装も重要です。


フレンチ居酒屋なら、西欧の雰囲気を存分に楽しめるビビットな什器や壁紙、床材のセレクトも、来店するお客様の目を楽しませてくれるはずです。


本格的な割烹居酒屋を経営するなら、古民家を改築して囲炉裏などを活用。情緒のある雰囲気で、日本酒を味わう店舗を開業したオーナーもいます。


予算に余裕があるのなら、インテリアデザイナーを入れ、思いきり空間演出にこだわるのもいいですね。


 


・食器類などのこだわり


女性オーナーが開く居酒屋なら、食器やリネンにこだわるのも素敵かもしれません。料理を美味しそうに演出する器やカトラリーの選択は、慎重にしたいもの。


大人数で楽しくガヤガヤ飲んで、大いに食べる大衆居酒屋なら、食器は丈夫でシンプルなものが最適。メニューはボリュームと味の良さを売りに、飾らない盛り付けなら、男性客を中心に人気の居酒屋になるでしょう。


 

居酒屋経営を成功に導く施策とは?

ライバル店も多く、お客の定着率もなかなか不安定な居酒屋。


ここでは店づくりや経営面の観点から、店を軌道にのせるためのアイディアを紹介します。


競合が多いからこそやって欲しい、店経営の「マーケティング」をほんの少し。差別化を図り、人気の居酒屋になるために、成功例や失敗例をあげて具体的に解説していきます。


 

居酒屋経営を成功に導く施策とは?

お客様の居心地を大切にして

一般的に、お客様の滞在時間が長く、メニューオーダー数が上がれば、居酒屋の居心地は「成功した」といえるでしょう。リピーターを増やし、お客様の満足度を上げて、人気の店にするにはどのようにしたらいいのでしょうか。


 


・人気のイタリアン居酒屋にみる成功の秘訣


居酒屋を開業したAさんは女性客に絞った店づくりを徹底しました。居酒屋にありがちなトイレタリーの狭さや汚さを避け、若い女性でも安心して利用できる店を実現しました。


料理は老舗イタリアンで修行した腕をふるい、女性好みの量が少なめなメニューも充実。飲みやすいお酒の提供や、少人数でも楽しめる個室の導入、やさしい色合いの内装にもこだわっています。


予算もリーズナブルで利用しやすく、たちまち人気の居酒屋に。その一方で、経費面での徹底的な管理をし、食材は農家で形が悪く出荷できない野菜を安く仕入れるなど工夫をしました。


経費面での冷静な判断で、お客様の立場に立った「くつろげる」空間にこだわり、成功した例といえます。

スタッフへの心くばりを入念に

女性経営者ならではの気遣いや、ありがちな従業員間のトラブルを未然に防ぎ、安定した人材確保と居酒屋経営を軌道にのせたオーナーもいます。


質の高い人材の育成や定着は、居心地の良い店作りに直接影響があるものです。つぎにスタッフの雇用面で、店を成功させた例を見ていきましょう。


 


・スタッフ間の空気は店の雰囲気に直結


日本酒を楽しめる居酒屋を開業しようと思ったBさん。居抜き物件を従業員ごと買い上げ、オープンしていこうと決断しました。


前のオーナーの下ではやる気がいまひとつのスタッフでしたが、何回も面談を繰り返すうちにコミュニケーションが深まり、雇用面の問題や店の動線への課題などをあぶり出し、開店後は円滑な経営を維持できました。


見違えるようにモチベーションを上げ、率先して皆が声がけをするなど、従業員間の雰囲気も良好になったといいます。


オーナーである女性経営者の忍耐強く、細かい心配りが店を成功へと導いた成功例です。


 

売上管理システムの導入も視野に

「こだわり」を大切にすることと、「ひとりよがり」な経営は別です。


まずは失敗例をみていきましょう。


 


・こだわりの強さが経営を圧迫


一流ホテルのコックから独立して居酒屋を始めたCさん。本物志向の料理と酒を提供する居酒屋を開業しました。


材料にもこだわり、得意の腕を生かすメニュー構成をしましたが、価格帯が高くオープンから数ヶ月で客足が遠のき、閉店へと至りました。


失敗の原因は感覚的な経営方針。


運営資金に占める食材の原価費や酒の仕入れ価格が重くのしかかり、アンバランスな経営状態であったことです。またターゲットをよくリサーチせずに、ホテル時代の感覚を頼りに、勘や経験でのメニュー決めや、店のコンセプト設計をしたために陥った失敗例です。


 


・経営には管理、分析、改革が必須


ライバル店が多い居酒屋経営には、売上の動向を管理するシステムの導入や、店を軌道にのせるための厳しい分析と改善の目が必要になります。


客観的に経営状態を見るしくみを、オーナーなら持っていきたいものです。


ランニングコストを低くを抑えた、有益なシステムも数多くあります。自分の店にフィットとした、信頼できるシステムパートナーを作り、使い勝手のよい売上管理システムの導入を検討して、安定して長く人気店でいる経営のあり方を模索していきましょう。


 

まとめ

いままで見てきたとおり、安定した居酒屋経営をするためには、客観的に分析をし、的確な状況を見極める冷静な準備が必要ということがわかりました。


「こだわり」のあなただけの居酒屋を成功に導くために、飲食に対する研究と同時に経営の戦略となる知恵も入れ、バランスの良い経営設計を考えていきましょう。


 

まとめ

written by arukuma

料理とグルメ、ときどきアンティークが大好きなライターです。
わかりやすく楽しめるコラムづくりを心がけています。