ラーメン

こだわりのラーメン屋 成功するために心がけたい開業前にぜひやりたいこと

ラーメン屋を開業したいと思っているあなた。
実際にどんな手順で店を開くことができるのでしょうか。開店前にしなくてはならないことを、メニューづくり、資金面、各種手続きなどの観点から、具体的にみていきましょう。

ラーメン屋を開業するために必要なこと

夢の開業に向けてどんな準備が必要なのでしょうか。


店を成功させるため、きめ細かい準備をし、自信をもって開業の日を迎えたいものです。


ここではラーメン屋開業のための基本的な知識を紹介します。


 

ラーメン屋を開業するために必要なこと

市場調査は入念に

競合店の多いラーメン屋。開業にこぎつけても1年以内で店をたたむ例も少なくありません。しなやかにライバル店に打ち勝つためにも、市場で求められているラーメン屋の傾向を知っておくことが大切です。


Instagramやグルメサイトで紹介されている話題のラーメン屋。開業すればどの店もライバルになります。勝てるだけのオリジナリティや戦略はありますか?


SNSの情報だけでなく、実際に街に出て今の業界の現実を見ることも必要です。開業したいと考える地域のラーメン屋店主に話を聞いて、開業へのスキルは足りているか冷静に判断してみましょう。


 

修行は必要?

修行は最大のリスク回避になります。


修行に入ることで、ラーメン屋の1日の流れを体験でき、仕込みや毎日の作業の大変さを実感できます。からだにかかる負担の大きさもわかり、漠然と描いていた開業の夢を、冷静に考えるうえでも貴重な時間になるでしょう。


修行にはなるべく人気の繁盛店を選びましょう。成功している店にはそれなりの極意があるものです。いい流れをもつ店で人気のノウハウを掴みましょう。期間は平均で1〜3年くらいで充分。修行店を持つことは人脈づくりにも役立ちます。店の運営は簡単なものではありません。開業後、修行時代に生まれた経営者間の繋がりが大きな助けになります。


 

資格やラーメン屋店主に求められること

ラーメン屋開業に必要な資格は「食品衛生責任者」。1店舗につき1人、自身で取るか、資格を持つ者を雇用します。費用は1万円程度。都道府県の「食品衛生協会」の講習で取得できます。「食品衛生責任者」を決めて保健所に届けることで、初めて「営業許可証」が下り、開業できることになります。


「調理師免許」も持っていて損はありませんが、開業のために必須ではありません。味やメニューに独創性や広がりをもたせる技術にはなりますが、「持っていれば得」くらいの軽い気持ちでいいでしょう。


何より大切なのは、ラーメンに対する情熱や、仕込みから調理、接客、売り上げ管理など長時間労働に耐えられるか、明るく接客を楽しめるかなど店主に求められる資質のほうが大切です。


 

利益を考える

つぎに実際の店運営に関わる重要な売上についてみていきましょう。


売上にはラーメン屋を経営していくための経費が含まれます。具体的にいうと、


食材費(原価)、人件費、家賃、光熱費、その他雑費になります。売上からこれら経費を引いた分がいわゆる儲け、営業利益になります。


「儲かっている」店は回転をあげ、利益率を伸ばしている店です。


大まかにいうと、食材費は全体売上の30%、人件費は30%、家賃は10%、光熱費は15席程度の店で月20〜30万、雑費は10万程度が目安。平均的なラーメン1杯の値段は800〜1000円ですから、自分の持ちたい店の大きさから逆算して1日あたり、1ヶ月あたりいくらの売上が必要か計算するのは簡単でしょう。ちなみにラーメン1杯あたりの原価は30%前後が基本です。


 

開業にかかる資金は?

ラーメン屋の具体的な形が決まってきたら、開業のための費用について考えましょう。飲食業の中でも比較的低コストで開業できるラーメン店ですが、1500万円前後の初期資金と、開店後半年ほどの運転資金800万円が必要といわれています。


初期資金のおもな内訳は、店を借りるための物件費、内装、外装の費用、テーブルや椅子などの什器費、ガス、シンク、冷蔵庫、鍋を含む厨房設備費、食器類、調理器具、わりばしやトイレットペーパーなどの消耗品の費用などになります。


ラーメン屋は最初の1杯目で勝負が決まるといわれる厳しい商売です。初めてのお客様の胃袋を把まなければ、長く愛される店にはなれません。また、開業から3ヶ月目に売上が落ち込むといわれ、たとえ無事に開業しても6ヶ月程度の運転資金を用意する必要があります。つまり、合計で2500万円程の準備金となります。


 

開業にかかる資金は?

開業資金を用意するには?

開業にかかる資金は莫大です。資金の調達が開業での最大の壁になりますね。「日本政策金融公庫」のWEBサイトでは、小規模企業向けの融資制度が掲載されています。新企業育成貸付には「新規開業資金」や「女性、若者/シニア起業家支援資金」などの制度もあります。


いずれにしろ借入の審査には、自己資金の高さも影響してくるので、充分に自己資金は用意したいものです。


ゼロから店を始めるのも理想ですが、居抜き物件や、キッチンカーを活用して低資金でのスタートするのもありですね。


 

開業後を見据えて準備したいこと

基本的な開業への流れがつかめたら、実際に店のオープンを想像してみましょう。毎日の営業で起こる作業をリストアップし、準備の漏れや、万が一のことも想定し、できることはすべて「つぶす」覚悟で実行します。思わぬトラブル回避のためにも、準備段階のチェックが大切です。迷ったら経験者に相談を。


 

開業後を見据えて準備したいこと

1日のタイムスケジュールを考えよう!

開業すると慌ただしくなり、緊張状態が続きます。あらかじめ店を開けるための1日の流れを整理しておきましょう。具体的に「見える化」することにより、気づかなかった費用の追加や店のレイアウトの違和感、雇うべき従業員の数や、店の営業に関わる問題点をあぶり出せます。


またラーメン屋を長く営業するためには、店主の健康面にまつわる長時間労働がネックになります。タイムスケジュールを組むことにより、1日の負荷がより実感でき、開業後のトラブルを防止にもなりますね。


 

人材育成は店の根幹

円滑な店経営は資金面や味の問題だけではありません。長時間にわたる重労働で、店を支えてくれるスタッフの存在も大きくなります。


家族や外部からのスタッフ募集で貴重な人材を確保しても、毎日の作業がうまく進むために、スタッフをどう教育するか充分に考えておかなければ店はうまく回りません。


また自慢の味を維持をしていく上でも、質のよいスタッフ教育は必要不可欠。よい従業員は、質の高い接客に繋がりますから、人気店になるための大切な要素になりますね。新しいスタッフに対してのわかりやすいマニュアルの整備や、教育方針はもちろんのこと、安心して力を発揮し、信頼関係を築くために、店主として働きやすい環境(ユニフォームの貸与、休憩室の完備など)を整えることも大切です。


 

経営者間の繋がりを持とう

ラーメン屋の廃業率は高く、始めやすい業種であるため開業数が多い分、1年程度で閉店してしまう店も珍しくはありません。


同じラーメン屋店主の人脈は、開店後の細かいトラブル回避を相談できる心強い味方になるでしょう。長く店を経営してきた経営者の中には他業種との繋がりがあり、新しいビジネスのチャンスへと展開することも。情報交換や、同じラーメン屋ならではのモチベーション維持にも重要な人脈になります。


また開店当初は食材の仕入れでも、修行店のコネや、同業種間の口ききは、安く食材を調達するための大切なパイプになります。日頃からまめにコミュニケーションをとっていきたいものですね。


 

リスクに備えよう

3年以内に廃業するラーメン屋はなんと全体の7割というデーターもあります。社会的な変化も加わるとそれ以上かもしれません。開業するからには、充分に不測の事態を想定して、日頃から準備をしていく必要があります。


ラーメン屋店主経験者だけでなく、異種業種のオーナーとの交流や、時代のニーズにあった飲食業の傾向を常に敏感に捉えていきましょう。


自分の店の特性を生かす新しいサービスの展開や、お客様に快適な空間を提供するためのスタッフとのコミュニケーション、店の営業状態を冷静に見極める分析能力も必要になります。場合によっては専門の経営コンサルタントに相談することも、長い目で見ると安定した店経営に必要な投資になるでしょう。


 

まとめ

ラーメン屋の開業には、単純にラーメン好きという情熱だけでは乗り切れない様々なポイントがあります。


一方で、市場調査をしっかりとしてニーズを捉え、個性的な看板メニューを考え、バランスのよい経営観念と分析できる冷静な能力があれば、人気店になることも夢ではありません。


また人との繋がりを大切にできる気持ちがあることも、長く愛される店を維持していく大切な要素になりますね。


 

まとめ

written by arukuma

料理とグルメ、ときどきアンティークが大好きなライターです。
わかりやすく楽しめるコラムづくりを心がけています。