お弁当

ゼロからはじめるお弁当屋さん 申請・資金準備編

お弁当屋さんを開業する、ということは「仕事」としてお弁当を作るということです。そこで安全のための食品衛生責任者の資格、保健所の許可がおりたキッチンスペース、税務署への届け、販売するための容器や食材の手配が必要になってきます。それではお弁当屋さんを開業するまでの手順と、どんな準備が必要で、何を届けなければならないのかをご紹介していきます。

お弁当屋さんを「仕事」にするための事前準備

お弁当屋さんを開業する際には、販売場所の確保や保健所の許可、税務署への届けなどが必要になります。それを踏まえて、開業する数か月、半年以上前には準備をはじめましょう。主婦が開業する時はもちろんですが、会社を辞める必要のある方は事前の準備をしっかりとしておくことが大切です。


事前準備として最低限必要なのは、普段家族が食べるためのキッチンとは異なる「保健所の許可がおりた専用のキッチンスペース」「食品衛生責任者の資格」「個人事業の開廃業等届」です。また開業後には「青色申告承認申請書」が必要となります。さらに、お弁当を販売するための容器や食材、レジカウンターなど細かいものも用意しましょう。さらにどんなお客様が来るのか、どんな時間が混雑するのか、どういったお弁当が売れるのか、といった事前リサーチも忘れずに行ってください。


 

お弁当屋さんを「仕事」にするための事前準備

各種申請書類と資格

お弁当屋さんを開業する、ということは「仕事」としてお弁当を作るということです。


商売をするためには、税務署への届けが必要になります。開業1か月前までに「個人事業の開廃業等届」を提出します。その間にキッチンスペースを確保し、保健所に確認してもらわなければいけません。自宅をリフォームする場合は、さらに時間がかかる場合もあります。リフォームをする前に、図面の段階で事前に保健所の人に相談をし、シンクや手洗い場の準備、冷蔵庫、火元などの安全確認、食器棚の設置、排水や換気の確保など、間違いがないかを確認してもらいましょう。


また食品衛生責任者の資格も忘れずに取得してください。開業2ヶ月以内には、所得税の青色申告承認申請書を提出する必要があるため、後々慌てない為にも開店前からの準備がおすすめです。。帳簿などを付けたことがない、簿記などは素人、お金の管理が苦手という人は事前に税理士さんなど、専門家のお願いをすることもできます。


 

資金あつめ

お弁当屋さんを開業には、貸店舗の契約、お弁当の食材や容器はもちろん、人件費に広告費など、想像以上の費用がかかります。どのようにしていくらぐらい用意すれば、オープンまでこぎつけることができるのでしょうか?


まず一番早いのは「自己資金」で始めることです。近年クラウドソーシングもありますが、銀行はもちろん、保障がないものに誰も出資はしません。お金を借りればいいからと、いきなり資金0円からはじめるのは危険です。まずは自己資金で300万円以上は用意しましょう。1000万円くらいあると、少し余裕をもって始めることができます。お弁当屋さんを開業しても、軌道に乗るには半年以上かかります。オープンまでの費用だけでなく、お客さんが定着するまでの維持費まで考慮して、開業資金がいくら必要になるか考えていきましょう。


 

資金あつめ

場所と事前リサーチ

資金の準備ができたら、お店の場所と周囲の事前リサーチです。お店の場所と周囲に住む人、利用する人をリサーチします。工場や会社が多い場所で、サラリーマンやOLをターゲットにするのか、それとも大学や専門学校の多い地域で学生をターゲットにするのかなどを明確にしておきましょう。


コロナ禍以降、デリバリーも重宝されるようになったため、一般の住宅街でもお弁当の需要が増えています。しかしお客様のターゲットによって、お弁当の量やおかずの種類、献立、忙しい時間帯などが違ってきます。綿密にリサーチをしておくことで、人を雇う必要があるのか、どのように広告を打っていくのかなど、細かい部分を決めていくことが出来ます。


 

献立の作成

いくら会社や学校があっても、社員食堂や学校の食堂が充実していると、なかなか普通のメニューでは注文がありません。また似たようなお店が複数ある場合は、馴染みの店の中に開業しても、なかなか印象に残ることはないかもしれません。そこで、自分のお店ならではの特徴や、誰もが喜ぶ献立を考えましょう。


さらにお客様によって値段の設定も考えることが必要になります。学生が多い場所ではワンコインでも「高い」と思われるかもしれませんし、OLの多い地域では値段より品質を気にするお客様が多いかもしれません。「学生が多い場合は低価格でも量を多めでバランスよく」「OLが多い場所は、量よりも栄養バランスや美容、健康を考えたメニュー」「一人暮らしが多い住宅街なら、栄養バランスの良い総菜だけの一品料理も多めに」「ご飯やおかずは冷めても美味しいものを」など、他と被らない独自の路線を開拓していきたいですね。


 

献立の作成

栄養バランスを考える

美味しさはもちろんですが、栄養バランスの良さはお弁当ならではの特徴です。


食と健康の重要視されるいま、コンビニでさえバランスの摂れたお弁当や調理済み食材を買うことができます。それでも工場で機械的に作られたものと、人の手で1つ1つ作られたものでは、栄養バランスもおいしさも格段に違うものです長年家庭で料理を作り続けてきた、子供のお弁当を作り続けてきた「お母さん」の中には、簡単に栄養のバランスが取れた献立を作ることができる人もいます。


たかが主婦と侮っていませんか。主婦の中には、漠然と料理を作っているだけではありません。その正確さと器用さが認められ、国立大学の実験助手の仕事をしている人もいるほどです。一人暮らしの人、仕事や勉強が忙しくてきちんとした食事がとれない学生やビジネスマン、OLが増えています。こういった人にとって、バランスが良く身体に優しい「おふくろの味」を楽しめるお弁当タイムは貴重な時間です。その期待に応えるためにも、もう一度栄養やバランスの取れた献立の作り方を勉強しなおしてみるのも良いかもしれません。


 

まとめ

資金の準備、周囲のリサーチ、キッチンの確保、保健所や税務署への書類提出、そして献立が決まればいよい開業です。チラシやHP、SNSを使って宣伝をしていきましょう。お店の軌道が乗るまでに半年以上かかるのは当たり前で、人を雇う必要がでてきたり、思うように集客が上手くいかなかったりとさまざまな壁がでてくると思います。一から焦らずコツコツと楽しみながらお店を経営していきたいですね!


 

written by こなみん

美と健康は正しい食生活から、をモットーに、次世代に向けた食育活動に励んでいます。