お弁当

ゼロからはじめるお弁当屋さん

子育て終了と同時にできた隙間時間、特技を生かして仕事にしたいという人はいませんか。だけど特技といえば、毎日作っていたお弁当作りぐらい。そんな料理好きな女性が、気軽にはじめられる「お弁当屋さん」はいかがでしょうか。

ゼロからお弁当屋さんをはじめるために何が必要?

料理好きを活かしてお弁当屋さんをはじめたい!そう思ってもまずは何から始めたらよいかわかりません。調理師免許は必要なのか、何か他に特別な免許はいらないか、など知らないことだらけですよね。お金を頂いて食を提供するのは、家族のために作るお弁当とは訳が違います。キッチンなどは家庭のものを使っても大丈夫なのかといったことも気になりますよね。


そこで必要な資格や道具、場所など何もない「ゼロ」からお弁当屋さんの開業を目指す方へ向けて、気になる情報をお届けします。

どんな免許・資格が必要?

お弁当屋さんの開業に、調理師免許は必要ありません。特別な学校などに通わなくても、美味しいお弁当作りに自信がある人なら誰でも「お弁当屋さん」をはじめることができます。しかしお客さまに飲食を提供する場合は、衛生面の検査などが必要になります。PTAバザーなどで経験がある人は、ご存じかもしれませんね。


さらに飲食に関わる販売を仕事にする場合は、「食品衛生責任者」「防火管理者」という免許を取る必要があります。やはり免許が必要なのか、とがっかりすることはありません。中には、講習を受けなくても、すでに免除となるだけの勉強をしている人もいます。そこでお弁当屋さんを始めるために必要な免許や資格についてご紹介します。

食品衛生責任者と防火管理者

お弁当屋さんは、他の飲食店と同じように「食」を扱います。飲食店を開く場合、必要となってくるのが「食品衛生責任者」と「防火管理者」です。しかし小規模なお弁当屋さんの場合、「防火管理者」は必須免許というわけではありません。


「延べ床面積300㎡以上で30人以上収容可能な店舗なら甲種、300㎡未満で30人以上収容可能な店舗は乙種」と細かく規定されているのが、その理由です。収容人数とは従業員、お客様を含めた総人数です。ショッピングモール内のイートインスペースの場合は、モールの経営会社が管理することになっています。路面店の場合はイートインスペースがあり、従業員を含めて一度に30人以上が収容されるような大規模なお弁当屋さんの場合のみ、防火管理者の免許が必要になります。


しかし小規模な貸店舗やキッチンカーなどの場合、防火管理者はなくても問題ありません。まずは食品衛生責任者の免許だけを取得しましょう。

食品衛生責任者と防火管理者

食品衛生責任者の取得

また「食品衛生責任者」に関しても、すでに食品衛生責任者に代わる資格や免許を持っている人、すでに必要な講座を受けている人もいます。食品衛生責任者を取得するには衛生法規2時間、公衆衛生学1時間、食品衛生学3時間の受講が必要になります。食物や生命医療等の大学や専門学校で、こちらの講義が卒業単位に含まれている場合、改めて資格取得のための講座もテストも受ける必要がありません。


また薬剤師や医師、歯科医師、管理栄養士も、大学で同じ講義を履修済みであり、お持ちの資格で代用ができます。また改めて資格が必要な人であっても「食品衛生責任者」の取得は難易度はさほど高くありません。全国の保健所が行っている上記の講習を1日受講し、テストに合格するだけで「修了証」を受け取れます。


講座修了とテスト合格後に受け取った「修了証」を自治体に提出すると、飲食店の壁で見かける「食品衛生責任者名札」と呼ばれる「プレート」を受け取ることができます。こちらのプレートには自分の名前を入れてもらうことができます。名札はなくても開業できますが、お店にあるとお客様に対しても、明確に正規のお店ということを印象付けることができます。この資格は開業者本人が持っていなくても、一緒に働く人や同居の家族が持っていても開業は可能です。

食品衛生責任者の取得

自宅のキッチンでもいい?

お弁当を作るために必要な場所や設備をどうするかは、解決するべき大きな問題の1つです。自宅にあるキッチンでお弁当を作って、販売をするのは可能なのでしょうか?テレビを見ていると、田舎のおばあちゃんが、自宅の庭先で作っているお饅頭やお餅を、道の駅などで販売している人がいますね。こういったシーンを見て、大丈夫だろうと思う方もいるかもしれません。


しかし自治体によっては、これでは開業の許可がおりないことがあります。自宅のキッチンを使ってお弁当を作ることで、衛生面の問題や水道光熱費などの問題が発生するからです。さらにお弁当屋さんとして「販売」を目的にするためには、それなりの量を作らなければなりません。田舎の農家なら充分なスペースが取れるかもしれませんが、ある程度の数を作らなければいけないお弁当屋さんとなると、自宅のキッチンでは厳しいでしょう。


どうしても自宅で開業したい!という方は、専用キッチンを作るためのリフォームが必要になります。専用設備を設置するためにリフォームをする場合は、施設基準に合致していないと、保健所の許可が通りません。そこで一般家庭に作るときは、図面の段階で確認してもらいましょう。またキッチンのリフォームは数百万円以上かかります。


普通の家庭のキッチンを使ってお弁当屋さんを始めるのは難しい、という場合は貸店舗で始めるという方法もあります。


 

仮店舗で開業する

自宅のキッチンでお弁当屋さんを開くのは難しい、となると必要なスペースを他で用意することになります。お弁当屋さんと言えば、貸店舗やキッチンカーで販売しているのをよく見かけますよね。


貸店舗の場合、店内にキッチンスペースがある飲食用のお店を借ります。事前に借りていた人が飲食ではない場合は改装が必要になるため、前の借主が飲食店として使っていたお店がおすすめです。


イートインや商品を展示するスペースが不要なため、15坪ほどではじめることができます。貸店舗を借りる時、集客を考えて都市部やビジネス街で探す方法や、在宅ワークの増加やデリバリー人気を考慮して住宅街で探す方法もあります。団地の空き部屋などを利用した月の家賃が10万円以下の穴場スポットもあるので、ぜひ探してみてください。


 

キッチンカーで開業する

キッチンカーでお弁当屋さんを始める場合は、保健所での許可を取る必要があります。営業許可の条件は保健所によって異なるため、自分が開業したい自治体の保健所に確認をしてみてください。


キッチンカーでお弁当屋さんを始める場合は、新車から作るよりも、レンタルや中古車で始めるのがおすすめです。新車の場合は、自分で車をキッチンカーに改造する必要があり、かなり高額となります。一方で中古車の場合は、すでにキッチンカーで営業をしていた人が、店舗を構えたり転職をしたりなどの理由で転売しており、1台100万円~販売されています。税金や保険などの経費は掛かるので要注意です。


そこでさらに経費を抑えたい、とい場合におすすめするのがレンタルです。レンタルの場合は1か月10,000円前後で利用できます。開業リスクをできる限り減らしたいという方は、こういった低額で始められる手段を選びましょう。


 

キッチンカーで開業する

まとめ

お弁当屋さんをはじめるためには「食品衛生責任者」と、調理スペースの確保が必要です。ゼロからの開業は長い道のりにも思えますが、一歩一歩できるところからはじめて、ぜひ唯一無二のお弁当屋さんを目指してください。


 

written by こなみん

美と健康は正しい食生活から、をモットーに、次世代に向けた食育活動に励んでいます。